【5分でわかる】高圧と低圧の決定的な違い!「電気代の単価差」と「消費量の壁」が導入のカギ
「自社の電気契約は高圧なのか、低圧なのか?」
普段、電気料金の明細を詳しく見ていないと、即答できる方は少ないかもしれません。
しかし、太陽光発電でコスト削減を狙うなら、ここが一番の重要ポイントです。なぜなら、高圧か低圧かで「電気代の単価」が4〜5円も変わり、さらに「設置できるパネルの適正量」も全く違ってくるからです。
この記事では、難解な「高圧・低圧」の違いを、電気料金の仕組みと、太陽光発電を導入する際の「意外な制約」を交えて解説します。
1. そもそも高圧・低圧って?
「小売り」と「卸売り」でイメージしよう
結論から言うと、「電気をまとめ買いするか、少しずつ買うか」の違いです。
低圧(50kW未満)=「コンビニで買う電気」
- 対象:一般家庭、小規模な店舗、事務所など。
- 特徴:電力会社がすぐに使える電圧(100V/200V)にして届けてくれます。手間はかかりませんが、その分、単価は割高です。
高圧(50kW以上)=「市場で仕入れる電気」
- 対象:中規模以上の工場、スーパー、病院、ビルなど。
- 特徴:6,600Vという高い電圧で大量の電気を一括で受け取ります。単価は安いですが、自社で変圧設備を持つ必要があります。
2. 謎の箱「キュービクル」の正体
高圧契約の施設の敷地内(駐車場や屋上の隅)には、必ず「キュービクル」という、クリーム色や灰色の金属製の箱が設置されています。これが高圧と低圧を見分ける一番の目印です。
- 役割:電力会社から送られてきた高圧の電気(6,600V)を、自社で使える電圧(100V/200V)に下げる「自社専用の変電所」です。
- ポイント:高圧契約の場合、「変電の手間を自社(キュービクル)でやる代わり、電気代を安くしてもらっている」という仕組みなのです。
3. 【核心】電気代が「4〜5円違う」と何が起きる?
ここからが、太陽光発電導入における最重要ポイントです。
実は、高圧契約と低圧契約では、電気の単価が1kWhあたり4〜5円ほど違います(高圧の方が安い)。
この「単価差」と「消費量」の関係が、シミュレーションに大きな影響を与えます。
① 高圧の場合:「元が安い」から差額が出にくい
高圧契約のお客様は、元々の電気代が安く設定されています。
そのため、太陽光で電気を自給自足しても、「高い電気を買わなくて済んだ!」という削減幅(お得感)が、低圧に比べるとやや小さくなります。
とはいえ、使用量が膨大なため、トータルの削減額は大きくなりますが、投資回収の計算はシビアに行う必要があります。
② 低圧の場合:「消費量の壁」がある
逆に、低圧契約(小規模オフィス等)は電気代の単価が高いため、太陽光で自給自足した時の「削減メリット」は非常に大きく出ます。
しかし、ここで一つ大きな壁があります。それは「使い切れない問題」です。
低圧のお客様は、そもそも電気の使用量が少ないケースがほとんどです。
そのため、いくら屋根が広くても、パネルを敷き詰めすぎると「発電した電気が余りすぎて、使い切れずに捨ててしまう(または安く売電するしかない)」という事態になります。
つまり、「屋根は空いているのに、消費量が少ないからパネルをあえて少なめにしか置けない」というジレンマが発生するのです。
4. なぜ大手がやらない? 私たちが提案する理由
業界の裏話を少しだけします。
実は、大手太陽光業者は、この「低圧・小規模案件」を避ける傾向にあります。
低圧案件は「消費量に合わせた細かい調整」が必要です。屋根いっぱいにパネルを並べるだけの工事に比べて、設計の手間がかかる割に、設置枚数が伸びず(売上が小さくなり)、効率が悪いと判断されるからです。
だからこそ、私たちがやります
私たちは、そうした「大手にとっては効率が悪い案件」こそ、丁寧に拾い上げます。
「消費量が少ないから意味がない」と諦めないでください。
あなたの会社の電気の使い方を詳細に分析し、「余らせずに使い切れる、最も投資対効果が高いパネル枚数」をピンポイントで設計します。
単価が安くても確実にコストダウンできるよう、無駄のない最適サイズの設備を提案します。
まとめ
- 高圧:キュービクルがある施設。電気代単価は安いが、使用量が多いので総額メリットを狙う。
- 低圧:電気代単価が高いので削減効果は大きい。しかし、「電気の使用量が少ない」ため、屋根が広くてもパネル設置数が制限されることがある。
- 我々の強み:大手は「枚数が稼げない低圧案件」を敬遠しがちだが、私たちは「消費量に合わせた最適な小規模設計」も得意としている。
「うちは電気をあまり使わないから、相手にされないかな?」
そんなことはありません。使用量が少なくても、「少ないなりに最大の利益が出る設計」は必ずあります。ぜひ一度、私たちにご相談ください。
参考資料
- 経済産業省 資源エネルギー庁:電力の小売営業に関する指針
- 一般財団法人 関東電気保安協会:キュービクル式高圧受電設備とは